佐野の名水

名水とは

 名水とは、良好な水質と水量を保ち続け古くから土地の財産となってきた湧水・地下水・河川に流れている水などのことをいいます。
では、良好な水質と水量とは、一体どの程度のものなのでしょうか。
水質基準の中で、最も代表的なものが環境基準です。
基準値は、水の利用法によっても異なります。
水質基準について詳しく知りたい方は、環境保全に関する憲法というべき「環境基本法」をご覧ください。
https://www.env.go.jp/kijun/wt2-1-1.html

名水百選とは

 1985年(昭和60年)3月、環境庁が選定した全国各地の名水とされる100か所が、名水百選として選定されています。
「名水百選調査検討会」が、判定条件等の検討し、その結果を踏まえて水質保全局において、百選の選定を行いました。
「名水百選調査検討会」とは、都道府県の報告の中から水質保全局内に学識経験者より構成されています。

名水百選における名水の判定条件は、次のとおりです。

  • ●きれいな水で、古くから生活形態、水利用等において水質保全のための社会的配慮が払われているもの。
  • ●湧水等で、ある程度の水量を有する良質なものであり、地方公共団体等においてその保全に力を入れているもの。
  • ●いわゆる「名水」として故事来歴を有するもの。
  • ●その他特に自然性が豊かであるが、希少性、特異性等を有するなど優良な水環境として後世に残したいもの。

 これらの判定条件の定義は、具体的にどのようなことを言っているのでしょうか。
それぞれ順に説明します。

●きれいな水で、古くから生活形態、水利用等において水質保全のための社会的配慮が払われているもの。

  「きれいな水」には一律の基準はなく、その利用法によっても違ってきます。
主な利用法としては、水道用水、工業用水、農業用水、水産用水などです。
ほかには、水浴・水遊び、水辺の景観に親しむ親水用水や、魚類・水生昆虫等の生息場としての利用などもあります。

各利用法による水質の基準値は、「環境基本法」にありますので、参照してみてください。
https://www.env.go.jp/kijun/wt2-1-1.html

 水は古くから、身近な水源や生活、安らぎの場としてなど多様に利用されていました。
その水に関わる人々の水の安全を保持していこうという意識が重要となります。
そして、その水に関わる人々が、水の安全を保持を意識したマナーのある利用が重要となってくるでしょう。

●湧水等で、ある程度の水量を有する良質なものであり、地方公共団体等においてその保全に力を入れているもの。

 湧水とは、地下水が自然状態で地表に流出したもの、もしくは地表水に流入するものの呼び名です。
「ある程度の水量を有する良質な湧水」とはどの程度のものと定義するものはありません。
しかし、湧水と呼ばれるからには当然、湧水として成り立つための水量、水質を保つことが必要となってきます。
そのため、環境省や地方公共団体では、水循環系の確保が課題です。

 湧水は、気象条件・人為作用などにより地下水位が上下することで、湧出量が増減したり、時には枯渇したりします。そのため、地域住民等による持続的な水環境の保全活動が必要です。
しかし、近年では、上水道や農業用水路の整備、大規模な工業用水などの地下水の汲み上げ利用が主流になってきています。それに伴い、湧水の利用と管理は地域住民の手から離れつつあるのが現状です。
そのような現状をふまえた上で、地元の人々が、きれいな水を保持していきたいという意識のもとに活動しているかということは、かなりの重要項目ではないでしょうか。

 それは、名水百選の100のうち、73もの湧水が選定されていることからもわかります。
https://www2.env.go.jp/water-pub/mizu-site/meisui/list/index.html

多くの湧水が選定されたのは、湧水保全の重要性と功績を、世間に広く知ってもらえることも狙いだったからではないでしょうか。

また、環境省では、平成22年に「湧水保全復活ガイドライン」なるものまで発行していることからも、湧水保全に、お力が入っていることがわかります。
http://www.env.go.jp/water/yusui/guideline/01.pdf#search

この「湧水保全復活ガイドライン」をご覧になっていただければ、湧水保全の重要性と詳細が十二分にわかっていただけます。

●いわゆる「名水」として故事来歴を有するもの

 古くから伝わっている事柄について、由来・歴史や伝来の事情が背景にあるものでなくればなりません。例えば、穴の谷の霊水(富山県)には、洞窟の奥から湧き出る水は不思議な効能があるという言い伝えがあるそうです。

●その他特に自然性が豊かであるが、希少性、特異性等を有するなど優良な水環境として後世に残したいもの。

 ここで言う自然性が豊かというのは、 人間の手の加わらない、そのもの本来のありのままの状態ということでしょう。そして、少なくて珍しい何か、特別に他とちがって魅力的な何かなど、何か誇れる特長が必要とういうことになります。永年にわたって、名水としての持続的な保全ができる水環境も必要です。そして、次の時代へと継承ていく価値の名水かどうかということでしょう。

 

 なお河川(用水を含む)等については、対象水域の水質が良好であり、水に係る特別な行事等を有するなどの特徴があり、水質保全活動が特に優れていることが、判定条件となります。

 ただ、名水百選の名水とは言っても、「そのまま飲める美味しい水」というわけではありません。
必ずしも飲料に適するわけでもないので、安易に口にしないようご注意ください。そのまま飲んでもいい水もありますが、煮沸してからの飲料をお勧めします。

佐野からは出流原弁天池湧水が、名水百選に選定されています。
出流原弁天池湧水についてはこちらから»