佐野の名水 出流原弁天池湧水(名水百選)

出流原弁天池湧水が名水百選に選ばれたのは

 佐野市では出流原弁天池湧水が、名水百選の一名水にあたります。
出流原弁天池湧水が、名水百選に選定されるに至った理由を考えてみましょう。

「名水」として故事来歴はある?

出流原弁天池湧水には、出流原弁天池が舞台の『朝日長者伝説』という、歴とした故事来歴がある民話があります。

朝日長者伝説:
昔このあたりに朝日長者が何不自由なく暮らしていたが、ただ一つ子宝に恵まれかった。そこで長者夫婦が、出流原弁天に子授けの願を掛けると、美しい女の子が生まれ、鶴姫と名付け、大事に育てたという。姫が18歳の時、山に遊びに入ったまま不帰の人となった。掌中の玉を失った長者夫婦にある時神が霊示したことは、姫は弁天池の鯉となっており、竜神となって昇天するためには、莫大な財宝がいるとのことであった。そこで長者は娘のためにと後山に財宝を埋め、宝のありかを詠んだ歌も残している。
[環境庁HPより引用]

この民話から出流原弁天池湧水は、十分に由来・歴史がある「由緒正しき」湧水であるといえます。

湧水の保全は大丈夫?

佐野の出流原弁天池湧水が、選定されるに重要な理由がほかにもあります。
それは何と言っても、名水として重要視されている湧水保全に、佐野市の地元の人々が力を入れている点でしょう。佐野市の地元町会が、名水地点を含む公園の定期的な清掃活動を行うことにより、きれいな水質が保たれています。名水百選に利用されている名水がある出流原弁天池を訪れてみてください。この水の透明度と池の美しさからも、十分管理されていることが一目瞭然です。

 この名水が、優良な水環境として後世に残したいものに匹敵しないはずがありません。
このように佐野の出流原弁天池湧水は、堂々と名水百選に選定されることになったのです。

名水百選の名水のある出流原弁天池(佐野市)

出流原弁天池(佐野)は、磯山弁財天(出流原弁天)の隣にあります

 この出流原弁天池湧水のある出流原弁天池は、佐野市街地から北西約6kmほどの位置にあります。北関東自動車道の佐野田沼インターを出てすぐの道路が国道293号です。国道293号から北方向の山の中腹に目をやると、森緑に映える真っ赤なお宮が見えます。目印とも言えるこれが、出流原弁天池湧水(佐野市)のある神社の本堂です。

 この本堂に行くには、出流原弁天池の駐車場目の前の赤いお堂から、130段ほど続く参道の階段を登ります。この山門をくぐって本堂の方を見上げると、すぐに目に飛び込んでくるのが、磯山の大蛇の像です。
この神社には白蛇さまが祀られ、「五穀豊穣」「家内安全」「商売繁盛」の神様として知られていることから、佐野市外からも多くの人が訪れます。
この山門をくぐった左側にあるのが、磯山弁財天、通称佐野の出流原弁財天です。
また、本堂までの階段途中のお手洗場向かいには、「銭あらい弁天」があります。
ここの湧水で小銭を洗うと、財に恵まれると云われているそうです。

 この佐野の出流原弁財天の本堂には釘が一本も使われず、木組みだけで建てられている御堂です。
本堂は舞台作りの手法で、周りをぐるっと1周できる通路がありますが、柵が低くなっています。
怖いと感じる方もいるかもしれませんので、歩く際は十分ご注意ください。
本堂からの視界は、佐野や周辺の山々と田園風景が広がり、見晴し良好です。
 また、本堂内には、弁財天の由来もかかれていました。

「音楽、弁才、福智、延寿、除災、得勝を司る天、妙音天、美音天、
大弁才、功徳天とも称する。もと河川を神格化したもので我国にては七福神の一」

この貴重な造りの様式と景色の眺めは、130段の階段を息切れしても登った価値がありそうですね。

出流原弁天池(佐野)の水は、驚くほどの透明度です

 出流原弁天池は名水百選というだけに、水質・水量とも選定当時とほぼ変わらず、
良好な状態を保っているそうです。どのようにして水質・水量を良好な状態を保っているのでしょう。

 この池の水は、古生層石灰岩の亀裂した割れ目から地下水が湧きだしたものです。
厚い土の層をフィルターとして濾過された水が、ひっきりなしに湧いてきます。
これでは、出流原弁天池の水の透明度もこれでは納得ですね。
湧き出す水量は環境省のHPによると、平均して毎分約6~8立方メートル湧出しているそうです。
二番池にも流々と水が流れていくことからも、じゅうぶんな水量が感じられます。

 周囲138mある池の水温は、年間を通し約16℃をほぼ保たれています。
出流原弁天池には、鯉やマスが悠々と泳ぎ回り、とても快適そうです。
水深は浅く、この透明感なので、近くで見る鯉はすくえそうに感じるほどで、遠くの鯉までもよく見えます。
特に夏の弁天池は、鮮やかな緑と清涼感を満喫できるので、行楽的にも人気スポットです。
そして出流原弁天池(佐野市)は、栃木県の天然記念物にも指定されています。指定の理由も、弁天池の美しさからじゅうぶん納得です。

 弁天池から流れ出した水は、公園の養魚場、公園(釣り、ボート)にも利用されています。
飲料というよりも、佐野市民の憩いの場として親しまれているのです。
出流原弁天池は古くから現在に至り出流川の源となっており、下流では農業用などの灌漑用水にも利用されています。

 また、この池には湧水を直接汲める場所はありません。
湧水を持ち帰りたい場合は、ホテル一乃館様の入口の湧水口より持ち帰れるそうです。